70%以上が水分のチキンやラム肉。
多くのペットフードは、とかくチキンやラム使用と表示することで、本物の肉(実はその70〜75%は水分)が使用されていることを印象づけようとします。この表示があると、消費者は肉がフードの主要原料になっていると考えがちです。しかし、実際は違います。ラベルを見るとき、原料の重量の多い順に載せる決まりになっているのは、このHPで何度もお伝えしている通りです。(米国飼料検査官協会(AAFCO)の公的文書では、「全ての原料は、重量の多い順番に記載される必要がある。原料いい情の重量は、原料に含まれる水分量も含め、他の原料と混合する時点のものとする。」とあります。)
ペットフードの製造過程で、調理前のチキンやラムの肉類は、穀物原料より重量が重いのが普通です。が、調理中に肉に含まれる水分の3分の2が失われるため、調理後にできあがったペットフードを配合比率で見ると、穀物の多いフードとなります。
賢い消費者になりましょう。 それに比較し、ミールはチキンでもラムでも、水分が予め取り除かれているため、水分量は10%以下で、そのプロテイン含有量は50〜60%にもなります。調理中もミールは穀物の重量より重量が減少することがないため、その結果、真に肉をベースにしたフードが出来上がるのです。それに加え、水を運ぶ必要がなくなり、輸送費が抑えられるというメリットもあります。良心的なメーカーはラベルの見映えをよくするための余計なコストを抑えて、実質的に良いフードを作ろうとします。それにも関わらず、正直にチキンミールと表示することで、原料リストの上位に載せたいがためにチキンを使うメーカーよりもかえって不利になることがあるのは、イメージに翻弄される消費者の問題でもあります。この誤解を避けるため、実際にはチキンミールが使われていても、あえて「鶏肉」と表記する輸入業者もいます(鶏肉には変わりありませんが)。AAFCOの定義では、チキンミールは、「ひき肉にされるか、サイズを小さくした鶏肉」とされています。
保証成分値を保証する機関はありません。
チキンやラム肉を使っていても、保証成分値の粗タンパクが25%と書いてあるではないか、という反論があるかもしれません。その場合、タンパク源となっているのは副産物などの他の原料であることがほとんどですし(小麦などにも多少のタンパク質が含まれています)、質が劣っているため消化吸収性が悪くても、タンパク質には変わりありません。それより大きな問題は、AAFCOのガイドラインでは、保証成分値の化学実験等による検証が義務づけはなされていないという点です。表示はメーカーの裁量にまかされていて、残念ながら現時点ではそれを保証する機関はありません。
「チキンミール」と「ミートミール」は似て非なるもの。
「チキンミール」を「ミートミール」と混同して(チキンもミートなので)、チキンに比べて質の劣る原料だという誤解があるのは残念なことです。「ミ−トミール」は、「通常の作業で偶然混じる量を除いた、血液、ひづめ、角、毛、皮、糞、胃、第一胃を含まずに、廃棄物処理(レンダー)されたほ乳類の繊維」とあり、こちらは廃棄物と同等です。API(アメリカ動物保護協会)の「Selecting a Commercial Pet Food(ペットフードの選び方)」でも、「由来のわかるミール(ただのミートミールでなく、ラムミールやチキンミールなど、肉の種類が特定されたミールを選ぶこと)とあります。
チキンミールやラムミールは、水分が少なく、タンパク質が多い分、ただのチキンやラム肉より良い原料なのです。
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